根管治療は、自身の歯の残すための重要な治療です。根管治療での失敗は歯を失うことにつながってしまうため、できる限り精度の高い方法を選ぶのが望ましいのですが、その際、選択肢として挙げられるのが自費の根管治療です。
根管治療にも保険と自費の2種類があり、さまざまな点で違いが見られます。そこで今回は、根管治療における保険と自費の違いについて、練馬区のしんみ歯科石神井台がわかりやすく解説をします。
■根管治療の保険と自費の7つの違い
保険診療と自費診療の根管治療には、以下に挙げる7つの違いが見られます。
◎通院回数の違い
根管治療と聞いて、「通院回数が多い」「治療期間が長い」といったネガティブなイメージをまず想起する方も多いことかと思います。実際、保険診療の根管治療は、比較的軽症でも根管への処置で2~3回の通院、被せ物治療まで合わせると5~6回の通院が必要となるのが一般的です。
通常の歯科治療や病院での治療とは比べると、多くの通院回数が必要になるため、途中で通うのをやめてしまう方もいらっしゃいます。一方、自費の根管治療には制約がほとんどないことから、2~3回の通院で治療を完結させることも可能です。
※患者様によって通院回数は異なります。
◎診療時間の違い
自費診療の根管治療の通院回数が少ない、あるいは治療期間が短いのは、1回あたりの診療時間が長いことが関連しています。具体的には、保険診療が1回あたり15~30分しか診療できないのに対し、自費診療の根管治療では、1回の診療を60~90分程度行えます。
◎歯の神経への処置の違い
歯の神経が感染した場合、保険診療では基本的にすべての歯髄(歯の神経や血管が集まった組織)を除去することになります。一方、特別な薬剤を用いることができる自費診療の根管治療では、感染した歯髄だけ取り除く方法を選択できます。
歯髄は、歯に酸素や栄養素、免疫細胞などを供給する重要な組織であることから、保存するに越したことはないのです。
◎検査の精度の違い
根管治療を行う前には、必ず画像検査を行います。保険診療の場合は、一方向からしか観察できないレントゲンでの検査になりますが、自費診療の場合は、任意の角度から3次元的に観察できる歯科用CTを活用できます。これにより根管の数や位置、彎曲度などを正確に把握できるのです。
◎使用できる器具の違い
根管内の病変は、ファイルと呼ばれる針のような器具を使って取り除きます。保険診療で使えるのは「ステンレスファイル」という強度は高いけれど、柔軟性に乏しいものなので、彎曲した根管に穴を開けてしまうことがあります。
自費診療では、彎曲した根管に追従する様な形で変形するニッケルチタンファイルを使用できることから、根管壁へのダメージを最小限に減らせるとともに、病変の取り残しが少なくなります。
また、保険と自費診療の根管治療では「ラバーダム防湿」を行えるかどうかの違いも見られます。ラバーダム防湿とは、治療する歯以外をゴム製のシートで覆う処置で、治療中に患者様の唾液が根管内に入り込むのを防ぐことができます。
◎根管充填に用いる材料の違い
根管内の清掃が完了したら、細菌が再び侵入しないように根管充填を行います。保険診療の根管充填では、ガッタパーチャ樹脂という、殺菌性がなく、経年的な劣化も起こりやすい材料を詰めることになります。
自費診療では、殺菌性が期待でき、封鎖性が高く、経年的な劣化も起こりにくいMTAセメントなどを必要に応じて選択できます。この点もまた根管治療の成功率に大きく関わっています。
◎費用の違い
保険診療の根管治療では材料や機械に制限があることに加え、費用負担は1~3割です。そのため根管治療において経済面を最重要視する場合は、保険診療が推奨されます。それ以外の要素に重きを置く場合は、自費診療での根管治療はさまざまなメリットが伴うでしょう。
■まとめ
今回は、根管治療の保険と自費の違いについて解説しました。根管治療は、通常のむし歯治療とは異なる面が多く、治療プロセスも複雑であるため、保険診療と自費診療に大きな違いが現れます。
その違いは、根管治療の精度と深く関係していることから、診療形態の選択は歯科医師とよく相談し、慎重に行いましょう。練馬区のしんみ歯科石神井台では、保険と自費の両方の根管治療に対応しておりますので、どちらか迷われている方はいつでもお気軽にご相談ください。