歯科治療では「神経を抜く」という特別な処置を行うことがあります。皮膚科や内科などで受けることはまずないので、不安や疑問に感じる方も多いことでしょう。
歯科でも可能であれば歯の神経を抜かずに残したいのですが、抜歯を避けるために必要となることがあります。
そこで今回は、歯の神経が大切な理由や、抜歯を避けるために行う根管治療の重要性などを練馬区のしんみ歯科石神井台が詳しく解説をします。
■そもそも歯の神経(歯髄)とは?
歯の中心部分に分布している神経と血管を合わせて歯髄(しずい)といいます。
厳密には歯の頭の「歯冠部歯髄」と、根っこの「歯根部歯髄」の2つに分けられます。健全な歯では、歯髄が歯の表面を覆うのエナメル質や、その内側にある象牙質によって守られているため、このあとご紹介する働きを正常に機能させています。
◎歯に栄養を届ける
歯髄を構成する血管は、酸素やミネラルなどを供給します。これが歯質を健康な状態に維持するうえで重要な役割を果たします。私たちの体を構成するその他の組織も基本的にはこのメカニズムで代謝を正常に回しているのです。
◎病原体を排除する
歯髄の血管からは免疫細胞も供給されます。歯の内部に入り込んでくる細菌などを排除するために、免疫細胞が集まってきます。
◎有害な刺激を感知する
歯髄を構成する神経は、外からの刺激や歯の異常を感知する機能も担っています。例えば、むし歯菌に感染したら痛みが生じますし、極端に硬い食べものを無理に噛もうとしたら、痛みで抑止してくれます。
これもまた健康な歯を維持するのに大きく寄与する機能といえるでしょう。
■歯の神経が大切な3つの理由
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歯に栄養を届ける
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病原体を排除する
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有害な刺激を感知する
歯の神経が大切といわれる主な理由は、ご紹介したこの3つです。これらがなくなると歯を守る機能が大きく低下することから、歯の神経はできる限り残した方がよいのです。
ただし、歯の神経を残すことで得られるメリットよりも、残すことによるリスクの方が大きい場合には、「抜髄(ばつずい)」と呼ばれる神経を取り除く処置が必要になります。
むし歯が進行したケースでは、抜髄と根管内の清掃(根管治療)を行うことで、歯を抜かずにすむ可能性が高くなります。
■根管治療の重要性について
歯の神経を抜いたり、根管内を清掃したりする処置の総称を「根管治療」あるいは「歯内療法(しないりょうほう)」といいます。
私たちの歯は、歯がボロボロになってしまっても、歯根が良い状態であれば抜かずに保存できることも。歯は根管治療後に被せ物で補うことで、見た目や噛む力回復させることにつながります。
このように、根管治療は「歯を残すための治療」として大切な治療なのです。
根管治療は、適切な治療を行えていないと病変を取り除くことができず、いつまで経っても治療が終わらなかったり、再発を繰り返したりします。
また、根管壁を大きく削り過ぎたり、穴を開けたりすると歯根が割れるリスクが高まる点にも注意が必要です。これを「歯根破折」といいます。
ちなみに、根管治療後は歯の神経がなくなり、上記でご紹介した歯髄が担う3つの機能もなくなってしまうことから、歯根破折が起こりやすくなります。
つまり、抜歯を避けるために歯の神経を抜いて根管治療を行ったとしても、歯根が割れてしまうと歯を抜かざるを得なくなる可能性もあるのです。
このような歯根破折を防止するためには、根管治療を精密に行う必要があります。
■精密根管治療について
以前までは保険診療の根管治療を選択する方も多かったのですが、近年は精密な根管治療にも注目が集まっています。
精密根管治療とは、歯科用CT、マイクロスコープ、ラバーダム、ニッケルチタンファイル、エルビウムヤグレーザー、MTAセメントなどを活用した根管治療です。
歯の神経は細く見にくいことから、レントゲンと肉眼だけで根管内をきれいに処置するのは難しい点も多いですが、上記の設備を用いることで成功率にも大きな違いあるのです。
一般的にいわれている保険診療での根管治療の成功率は60%程度、自費の精密根管治療が90%以上です。
詳しくは当院の根管治療サイトもあわせてご確認ください。
■まとめ
今回は、歯の神経が大切な理由と抜歯を避けるための根管治療について解説しました。
歯の神経は、歯に栄養を届ける、病原体を排除する、有害な刺激を感知するという3つの役割を担っていることから、健康な歯を維持するうえでとても大切です。
それでもむし歯が進行したケースでは歯の神経を抜いて根管内を清掃しなければならないこともあります。進行したむし歯では、根管治療が抜歯を避けるための治療法となる場合が多いからです。
精密根管治療を希望される方は、いつでもお気軽に練馬区のしんみ歯科石神井台までご相談ください。当院は練馬区で根管治療にも力を入れている歯医者さんです。