外科的歯冠延長術や矯正的挺出
どちらも今の状態では、被せ物を装着できる長さ(フェルール)が足りない歯に対して行う治療です。
聞き慣れない治療名や治療内容のため、不安を抱えている方もいらっしゃると思います。
今回はこの二つの処置に多く寄せられたご質問にお答えいたします。
外科的歯冠延長術
外科的歯冠延長術は、クラウンレングスニングとも言います。
埋まっている歯根を外科的に露出させることで、被せ物が装着できる土台の長さを確保します。
矯正的挺出
矯正的挺出は、エクストリュ―ジョンとも言います。
埋まっている歯根を矯正力で引っ張り出し、被せ物を装着するために必要な土台の長さを確保します。
すべての歯に適応できますか?
必ずしもすべての歯に適応できる治療ではありません。
顎の中に植わっている歯根の長さは増えることはありません。
そのため、露出させた後・引っ張り出した後に、歯冠を支えられるかどうかが重要です。
治療前に検査を行い診断をする必要があります。
治療が完了するまで、見た目はどうなりますか?
外科的歯冠延長術は歯肉切開を行うため、しばらく糸で縫った状態になります。
1週間後には抜糸をし、歯肉の治癒後修復治療に移りますので、見た目の大きな変化はあまりないと考えられます。
矯正的挺出は、歯根に矯正器具を取り付け牽引するため、仮歯の装着はできません。
ですが、シェルのような形の人工歯を取り付けるので、唇側からは見えにくいです。
こちらのコラムに治療の流れや写真を掲載しているので、合わせてお読みください。
保存不可能な歯を動かして保存可能に【矯正的挺出の流れ】 | しんみ歯科石神井台 | 上石神井・武蔵関・大泉学園の歯医者 (shinmi-shika.com)
治療中に気を付けることはありますか?
外科的歯冠延長術に関しては、当日は特に過度な刺激は与えないようにしてください。
歯科医師からの指示があるまでは、ブラッシングの際、強く擦るなどの行為も控えましょう。
矯正的挺出に関しては、治療中他の歯と同じように機能できる状態ではありません。
その歯を使って、強く噛む・噛み切る等は控えていただく必要があります。
外科的歯冠延長術のように外科的な刺激は加えていませんが、強く触りすぎると装置脱離の可能性があります。
ケアの際は柔らかいブラシ等で、優しくお掃除をしてください。
痛いですか?
外科的歯冠延長術の場合は、処置後、お痛みが出ることがあります。
歯肉を切ったり、外科的な刺激を加えているためです。
ですが、他の外科処置と比べて治療範囲は狭いので、痛みもすぐに治まる方が多いです。
矯正的挺出の場合は、歯根をゆっくりと引っ張るため数日間は圧迫感が出ることがあります。
痛みはほとんど出ないと言われています。