ホワイトニングをやってはいけない・効果が出ないケースがあります
ホワイトニング(ブリーチング)は見た目の改善ができる身近な処置ですが、ホワイトニングをしてはいけないケースがあります。
最近はネットなどで簡単にホワイトニング用品が手に入るようになっており手軽になった反面、危険なことでもあります。
今回はホワイトニングの禁忌症・効果がないケースについてお話します。
・無カタラーゼ症
無カタラーゼ症とは、カタラーゼと呼ばれる体内の酵素を作れない先天性疾患のことです。
カタラーゼは過酸化水素を分解する酵素です。
オフィスホワイトニングでは過酸化水素、ホームホワイトニングでは過酸化尿素を主に使います。
過酸化尿素は分解され過酸化水素を発生させてブリーチングしていきます。
通常、処置中にホワイトニング剤を誤って少し飲み込んでしまったとしても、このカタラーゼが分解するため健康に影響が出ることはありません。
無カタラーゼ症のかたは体内に入ってきた過酸化水素を分解することができないため、ホワイトニングを行うとお口の中が大きく荒れてしまったり粘膜が壊死を起こしたりしてしまうため絶対的禁忌です。
・妊娠中、授乳中
妊娠中、授乳中の方は、ホワイトニングを行って問題がないという立証がされていないため、安全性の面から避けた方がいいです。
これらの期間が過ぎてから行うことをおすすめします。
・テトラサイクリンによる変色歯
テトラサイクリンとは抗生剤のことです。
母体が妊娠中にこの薬を服用したり、乳幼児期に服用をすることで、永久歯に縞模様の変色が現れることがあります。
軽度のテトラサイクリン変色歯に対しては、ホワイトニングを行うことで一定の効果は現れますが、完全に改善することは難しいです。
また、通常よりホワイトニングの継続が必要です。
重度のテトラサイクリン変色歯にはあまり効果が現れません。
・エナメル質形成不全、象牙質形成不全
歯を構成する組織がもともとうまく作られていない歯のことを言います。
このような歯に対してホワイトニングを行うと、薬剤が浸透しすぎてしまい歯の内部にある歯髄(神経)がダメージを受けてしまうため、できません。
・修復物が入っている歯
ホワイトニングは天然歯に対して効果が出ます。
治療をしたことがある部分には人工物が入っているため、効果はありません。
安全にホワイトニングを行うために
”自分の歯はホワイトニングをしていいのか?”
”治療をしたか忘れてしまった”
など、ご自身で判断するのは難しいと思います。
上記以外にもしっかりとケアができていない歯にホワイトニングを行っても効果が思うように得られません。
安全に・効果的にホワイトニングを行うためには、まず歯科医院で全体的なチェック・診断を受けてからにしましょう。