歯の内部には神経という組織があります。
人間の体で例えると神経は歯の心臓部分です。
神経には、歯に栄養を供給し健康に保つなどの重要な役割があります。
神経を取っていない歯と、神経を取っている歯では、寿命が10~20年程変わります。
虫歯の進行が深い場合、治療の際に露髄することがあります。
露髄とは神経(歯髄)が露出してしまうことを言います。
通常であれば露髄してしまうと、神経を取る治療が必要になります。
ですが、MTAセメントを用いることで、露髄した歯の神経でも、高い確率で残すことができるようになりました。
症例写真
治療前のレントゲン写真です。
右から2番目に写っている歯が今回の症例です。
歯冠部分に黒い透過像が見られ、虫歯に大きく感染しています。
麻酔をして虫歯部分を削っていきます。
感染部分をしっかりと取り切ったあとのお写真です。
今回の虫歯はかなり深く、神経(歯髄)が一部露出しています。
MTAセメントを充填しました。
その後、仮封材料を削った部分に詰め、経過観察へ移ります。
1ヶ月間、経過観察を行いました。
神経の反応もあり、感染もなく、問題なく機能していることが確認できました。
経過は良好です。
最終的な修復物の製作をしていきます。
修復物が装着できるように歯の形を整えていきます。
型取りを行い、セラミックインレーを装着しました。
MTA歯髄保存療法の治療が完了しました。
今後はメインテナンスで、状態確認をしていきます。