虫歯が進行すると、歯の内部にある神経(歯髄)に近接してきます。
神経に近くなると、虫歯を削った際に神経の一部が露出してしまったり(=露髄)、そのまま修復物を装着することで噛んだ際に神経がダメージを受け痛みが続いたりします。
ダメージを受け続けることで神経が死に、内部で腐ってしまうこともあります。
そのため、神経に近接した虫歯の場合は通常神経治療が適応となることが多いです。
MTA歯髄保存療法は、そのような深い虫歯でも、MTAの作用を利用して神経を守りながら治療を完了させます。
その成功率は90%と高く、歯の寿命延伸に大きく貢献します。
症例写真
お写真の真ん中に写っている歯が虫歯になっています。
後ろの歯との隣接面が黒く透けています。
たまに痛みが出てきているようです。
症状も出始めているため、早めの治療をおすすめしました。
麻酔をして虫歯を削っていきます。
中央の切削量が多く、ここが一番神経に近いです。
患者様から神経を守りたいという希望もあり、お話し合いの結果、MTA歯髄保存療法を行うことになりました。
虫歯を取り切った後、神経に近い部分にMTAセメントを充填します。
仮の蓋を詰め、しばらく経過観察を行います。
経過観察をおよそ1ヶ月行いました。
痛みはなくなり、神経に影響がないことも確認できたので、最終修復物の治療へ移ります。
麻酔後、修復物が嵌められる形に歯を整え、型取りをします。
最終修復物治療が完了しました。
今回の最終修復物はセラミックインレーです。
今後は定期検診で状態チェックをしていきます。
治療回数 3回
治療時間 30~60分/回
治療期間 1ヶ月半
治療費 MTA歯髄保存療法(小臼歯) 20,000円
セラミックインレー(小臼歯) 55,000円
※MTA歯髄保存療法、最終修復物に対する保証制度あり