鏡でお口の中を見たときに、舌の異変に気づくことがあります。
舌の変化の一つに、黒く変色してしまうという症状があります。
これを【黒毛舌(こくもうぜつ)】と言います。
今回は症例写真と共に、黒毛舌の原因と治療方法についてご紹介します。
黒毛舌
黒毛舌の好発部位は主に舌の真ん中です。
真ん中から後方に広がって変色していることもあります。
黒、黒褐色、褐色などに変色します。
黒毛舌の多くが変色のみで、痛みなどの症状は併発しません。
しかし、口臭などの不快症状や、味覚障害が起こることもあります。
黒毛舌の原因
・抗生剤やうがい薬の利用
抗生剤の長期服用や、殺菌性の強いうがい薬の使用により舌が黒くなることがあります。
口腔内に存在する細菌のバランスが崩れることが理由です。
・免疫力の低下
体力や、抵抗力が下がることで、口腔内に存在するカンジダ菌が増え、黒くなることがあります。
カンジダ菌は通常それほど繁殖する菌ではありません。
体調不良や免疫力の低下の他に、精神的ストレスでも現れることがあります。
・喫煙
喫煙により舌表面が黒くなることがあります。
また、着色性の強いコーヒーなどの長期摂取により見られることもあります。
黒毛舌の治療方法
・服用している薬剤・利用しているうがい薬が原因の場合
服用しているお薬の変更が可能か主治医に相談してみましょう。
お薬の変更もしくは服用の中止をすることで、黒毛舌が改善する可能性が高いです。
ただし、この場合は服薬原因の疾患を治すことが優先されます。
体調が良くなってから、黒毛舌の治療へ移りましょう。
また、うがい薬の利用を始めてから舌の変色が見られた場合は、一度利用を中止し改善するか様子を見てみましょう。
・舌表面を清掃する
舌表面をブラシ・舌ブラシで優しくお掃除することで改善することがあります。
また、舌の汚れを除去するタブレットの利用もおすすめです。
黒毛舌の症例写真
定期的にメンテナンスを受けている患者様です。
3ヶ月毎のメンテナンス受診時に黒毛舌の所見が見られました。
服薬もしていないため、舌清掃用のタブレットの利用と、免疫力回復をするようお話しました。
3ヶ月後の舌の様子です。
黒毛舌は改善しました。
歯科・内科へ受診をしましょう
黒毛舌は、主に常在菌のバランスが崩れて起こります。
ですが、他の疾患が原因で、黒毛舌も引き起こされている場合があります。
具体的には糖尿病、胃腸障害、腎障害などが挙げられます。
体に異変が現れた場合は医療機関への受診をおすすめします。