お子さんのお口の中のことで、歯並びを気にされる保護者の方が多いと思います。
小児矯正は、顎の成長や歯の生え変わりを見ながら行うため、介入のタイミングは様々です。
早く歯並びを良くしてあげたいと思う親御さんも多いですが、実は”待つのも治療”なことが小児治療では多々あります。
一方で、成長に悪影響を及ぼすようなケースもあり、その場合は早めに矯正治療を行った方がいいです。
どのようなケースでも、まずは、お子さんの日々の生活の中で、歯並びに悪影響を与えてしまう癖がないかチェックすることが大切です。
お子さんにこんな癖ありませんか?
①指しゃぶり
3歳以降の指しゃぶりは、歯並び・発音に悪影響を及ぼしてしまうため、徐々にやめられるようにしていきましょう。
長くても4~5歳までには直した方がいいとされています。
(2歳頃までは、成長本能によるものなので問題はありません。)
指しゃぶりが直らないと、指や指を吸う力で歯が動き、出っ歯になってしまいます。
②口呼吸
口呼吸をする癖があるお子さんは、お口が常に開いている状態になります。
歯並びは唇を閉じていることで、お口周りにある筋肉の力(自然な矯正力)がかかり歯が前に出ることを抑制しています。
お口が開いていると、前歯に自然な矯正力がかからないため、歯が動いてきてしまいます。
また、舌が正しい位置より低位になりやすく、下顎への悪影響を及ぼすことになります。
その結果、受け口や上下の前歯が噛み合わない(=開咬(かいこう))原因にもなります。
口呼吸が続くと風邪などにかかりやすくもなり、歯だけでなく身体のためにも直したい癖ですが、鼻の疾患(鼻炎等)が原因のこともあります。
その場合はまず内科・耳鼻科で原因の治療を行う必要があります。
③爪・唇・えんぴつなどを噛む
爪を噛んでしまう癖は、3~5歳頃から現れ、安心するため・落ち着くためなど心理的な要因もあると言われています。
爪を噛み続けている歯が前に傾いてきてしまい、出っ歯・開咬の原因になります。
また、噛んでいる指・爪がボロボロになってしまうことがあります。
4歳頃を過ぎても続くようなら徐々に直せるように、お子さんの様子を見ていきましょう。
唇を噛む、えんぴつなどを噛む癖も同じようにお口に悪影響を及ぼしてしまう原因になりますので解消していく必要があります。
④頬杖をつく
頬杖の手が当たっている部分の歯に力がかかり内側に傾いてきてしまいます。
また、顎に頭の重さがかかるので、下顎が後退したり歪んでしまう原因になります。
いつも同じ側で頬杖をついていると、歯並びのバランスが崩れるだけでなくお顔が左右非対称になってしまう可能性がありますので、やめさせるようにお声がけをしてあげましょう。
⑤舌癖がある
舌を前に出す、上の前歯・下の前歯を後ろから舌で押してしまうような癖があると前歯に力がかかり、押されている前歯が前に出てきてしまいます
舌の正しい位置を覚えさせて、癖を直す必要があります。
⑥下顎を前に出す癖がある
下顎を前に突き出すような癖があるお子さんは、上顎と下顎の成長バランスが崩れ、受け口になりやすくなると言われています。
下顎を突き出す癖には、口呼吸をしている可能性もありますので、なぜその癖があるのか原因を見つける必要があります。