むし歯が進行して根管治療が必要となった場合、「失敗されないか」や「再発」という点が気になる方もいらっしゃると思います。
そこで今回は根管治療でむし歯が再発する理由や、根管治療の成功させるための方法について、練馬区のしんみ歯科石神井台がわかりやすく解説をします。根管治療が必要と診断されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
■日本の根管治療が再発しやすい理由
実は、日本の保険診療における根管治療では、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)とCT撮影(3元的な画像診断)を行うことがほとんどありません。なぜならこれらの機材の使用は、保険診療に含まれていないからです。
マイクロスコープやCT撮影は保険診療の算定対象外であることが多く、導入や維持にも負担が大きくなることから、精密機器を使用した根管治療は、多くの歯科医院で自由診療での提供に限られていることが背景です。
そこで気になるのがなぜ根管治療にマイクロスコープとCTを使わないとむし歯の再発が起こりやすくなるのかという点です。
◎根管内は肉眼で確認できない
画像や映像などで根管治療の様子を見たことがある方ならおわかりいただけるかと思いますが、根管の内部はとても狭く奥深くまで入り込んでいるため、基本的に肉眼で確認することが難しいのです。
根管の入り口を黒い点として視認できるだけで、その内部はブラックボックスのような状態となります。
保険診療ではブラックボックスの内部を少しでも把握するために、レントゲン撮影を行いますが、平面(2次元)的な画像しか得られず、根管の長さや形、曲がり具合などを大まかに捉える程度にとどまります。
レントゲン撮影をした角度によっては、根管そのものが写らないケースもあり、成功率の低下や再発のリスクを高める要因のひとつとなっています。ここで大きな力を発揮するのが今回のテーマであるマイクロスコープと歯科用CTです。
■マイクロスコープとCTを使うと何が変わる?
根管治療の成功率を高め、再発するリスクを抑える上で、マイクロスコープと歯科用CTの活用はとても重要です。これらを活用することで根管治療がどのように変わるのか。それぞれの役割を見ていきましょう。
◎歯科用CTで根管を3次元的に捉える
ひとつの方向からの平面的な画像しか得られないレントゲンに対し、CTでは任意の方向から立体的な画像を取得できます。実物の歯を手に取って観察してみるとわかりますが、とても複雑な形をしていて、見る角度、方向が少し変わるだけでも見え方が大きく変化します。
しかも根管というのはその内部にある複雑な空洞で、患者様によって形も異なるため正確に把握することが難しいのですが、CT撮影を行うことで歯の奥の根管を立体的に詳しく確認できるのです。
特に根管治療の成功率を低下させ、再発のリスクを高める「彎曲根管」もCTを用いることで正確に捉えることができ、再発リスクを軽減できます。
◎マイクロスコープなら根管内を視認できる
根管治療の成功率を高めるためには、歯科用CTによる精密診断だけでは十分といえません。なぜならCTはあくまで根管の状態を外から観察しているに過ぎないからです。
もちろんこの時点でも従来の根管治療より精度が高まっていることは間違いありません。
それに加えて歯科用顕微鏡であるマイクロスコープを併用すれば、根管治療の再発リスクはさらに抑えやすくなります。
まずマイクロスコープでは根管の中を明るく照らすことができます。また、治療中の視野が肉眼の数十倍程度まで拡大されることから、根管の壁や底まで視認しながら拡大、清掃、消毒、充填などを行えるようになります。
従来法が知識や経験、勘に頼った部分のある治療であるのに対し、患部を視認しながら処置を進められるのがマイクロスコープの強みです。
◎アメリカではマイクロスコープとCTの使用が標準
根管治療の先進国であるアメリカでは、マイクロスコープと歯科用CTによる精密診断は標準となっています。そのため根管治療の成功率が高く、歯の寿命も自ずと長くなります。
■まとめ
今回は、根管治療で再発する理由と、根管治療の成功率を上げるマイクロスコープとCTの重要性について解説しました。
根管は歯の内部にある細くて複雑な空洞なので、レントゲンによる画像診断と肉眼での処置だけでは、十分な効果が得られにくく、再発のリスクも高くなってしまいます。
マイクロスコープと歯科用CTを活用すれば、根管の形や曲がり具合、本数などを正確に把握できることから、病変の取り残しが減り、再発のリスク軽減にもつながります。
そんなマイクロスコープとCTを活用した精密根管治療を希望される方はぜひ練馬区のしんみ歯科石神井台までご相談ください。