インプラント治療を検討しているものの、「骨が薄い」「骨が足りない」と言われた経験がある方もいらっしゃると思います。

しかし、歯科治療では骨の再生を促す「GBR（骨造成）」という方法によって、インプラントが可能になるケースがあります。

本記事では、GBRの概要やメリット、治療の流れについて、練馬区のしんみ歯科石神井台がわかりやすく解説します。

■インプラントで骨が足りないときのGBRとは？

GBR（Guided Bone Regeneration：骨誘導再生法）とは、インプラントを埋め込む部分の骨が不足している場合に行う骨造成法です。歯周病や抜歯後の骨吸収などで顎の骨が痩せてしまうと、インプラントをしっかり支えることができません。

そこで、人工の骨補填材や自家骨（ご自身の骨）を欠損部に補い、特殊な膜（メンブレン）で覆って骨が再生する空間を確保します。数ヵ月後には新しい骨が形成され、インプラントを安全に埋入できるようになります。

■インプラントでGBRを行うメリットは？

◎インプラント治療の可能性が広がる

顎の骨が薄い、または足りないことを理由にインプラント治療を断られた患者様でも、GBR（骨造成）を行うことで再び治療の選択肢が広がります。

骨の厚みや高さを確保できれば、インプラントを理想的な位置や角度で埋入することが可能となり、見た目の自然さはもちろん、噛み合わせのバランスや機能性も向上します。

歯を失う前のように、しっかり噛める快適な状態を取り戻すことができるのです。

◎長期的に安定したインプラントが期待できる

骨造成によってインプラントがしっかりと骨に支えられることで、治療後の安定性が格段に高まります。骨とインプラントの結合が強固であれば、咀嚼時の力を均等に分散でき、周囲の歯や歯ぐきへの負担も軽減されます。

長期間にわたり健康な口腔環境を維持しやすくなるため、「せっかく入れたインプラントがぐらつく」といったトラブルのリスクを減らすことにもつながります。

◎自然な見た目と歯ぐきのラインを再現できる

骨が十分にあると、歯ぐきの厚みや高さも自然に整いやすくなります。特に前歯のように見た目が重要な部分では、骨造成によって歯ぐきが下がりにくく、インプラントと天然歯の境目が目立ちにくくなります。

これにより、人工歯であることを感じさせない自然な口元を再現でき、笑顔に自信を取り戻す方も多くいらっしゃいます。

■歯科治療で行うGBRの流れは？

①診査・診断

まずCT撮影などを行い、骨の厚みや高さを三次元的に確認します。インプラントを埋入できるかどうか、またGBRが必要な範囲を詳細に診断します。

②骨造成の計画と説明

患者様一人ひとりの骨の状態に合わせて、どの部位にどの程度の骨を補うかを計画します。人工骨、自家骨、または両者を併用するかなどを事前に説明し、治療期間や費用などを丁寧にご案内します。

③GBRの施術

麻酔後、歯ぐきを丁寧に開き、骨が不足している部分に骨補填材を充填します。その上からメンブレンという薄い膜で覆い、骨の再生スペースを確保します。この膜は、骨を作る細胞を入り込みやすくし、不要な細胞の侵入を防ぐ役割を果たします。

④治癒期間

GBR後は数ヵ月（通常3〜6ヵ月程度）かけて新しい骨が形成されます。この期間中は、硬すぎる食べ物を噛んだり、食べ物を強く噛むことを避けるなどの注意が必要です。歯科医院で定期的に経過を確認し、骨の成熟を見守ります。

⑤インプラントの埋入

新しい骨が十分にできたことを確認したうえで、インプラント体を埋め込みます。骨が安定しているため、埋入位置や角度も理想的に設定でき、長期的な安定性を確保できます。

なお、症例によってはインプラント埋入とGBRを同時に行う場合もあります。たとえば、骨の欠損が比較的軽度で、インプラントが初期固定を得られる状態であれば、同時施術が可能です。

この場合、骨造成とインプラント埋入を一度の手術で行えるため、治療期間を短縮できるという利点があります。

⑥上部構造（被せ物）の装着

インプラントと骨が結合したあと、アバットメント（連結部分）を装着し、最終的な被せ物を取り付けます。自然な歯のような見た目と噛み心地が得られるようになります。

■まとめ

インプラントを希望しても「骨が薄い」「骨が足りない」と言われた場合でも、GBR（骨造成）を行うことで治療の可能性が広がります。

骨を再生させることで、インプラントを安全かつ長持ちさせることができ、自然な見た目の回復にもつながります。

練馬区のしんみ歯科石神井台では、精密な診断と丁寧な骨造成治療を通して、患者様一人ひとりに合った、適切なインプラント治療をご提案しています。