〒177-0045
東京都練馬区石神井台4-7-3
石神井台クリニックモール1F・2F

オザキフラワーパーク隣
石神井台クリニックモール

トピックス TOPICS

顎関節症は矯正で改善する?噛み合わせの関係と治療法を歯科医が解説

顎関節症は矯正で改善する?噛み合わせの関係と治療法を歯科医が解説

その顎の重さや音、噛み合わせが関係しているかもしれません


朝起きると顎が重く、食事のたびにカクカク音がして口が開きにくい。そんな症状に歯並びの悩みが重なる方は意外と多いものです。顎関節症と噛み合わせのつながり、そして矯正で改善が期待できるケースとそうでないケースを、練馬区石神井台のしんみ歯科石神井台の視点から歯科医が丁寧に解説します。


この記事の要点まとめ


  • 顎関節症は噛み合わせや生活習慣など複数の要因が関わり、矯正で改善が期待できる場合とそうでない場合がある
  • 精密検査で原因を見極めたうえで、ワイヤーやマウスピースなど適した治療法を検討することが大切
  • お子様の成長期に噛み合わせを整えることは、将来の顎への負担軽減につながる可能性がある

顎関節症と噛み合わせの深い関係:なぜ顎がカクカク鳴るのか?


顎関節症とは、顎の関節や周囲の筋肉に起こる不調をまとめた呼び名で、口を開け閉めするときの音や痛み、開けにくさなどが代表的なサインです2。原因は一つに絞れるものではなく、噛み合わせや生活習慣といった複数の要素が重なって生じると考えられています。


顎関節症が起こる解剖学的なメカニズムと関節円板のずれ


耳の前にある顎関節には、骨と骨の間でクッションの役割を担う関節円板という組織があります。この円板が本来の位置から前方などへずれると、口を開ける途中で「カクッ」と音が鳴ったり、引っかかる感覚が出たりすることがあります。加えて、頭や首、口周りの筋肉が緊張して硬くなると、こめかみや頬に重さや痛みとして現れる場合もあります。こうした状態は、顎への負担が積み重なることで起こりやすくなると考えられています4


顎関節症を誘発しやすい「噛み合わせのアンバランス(不正咬合)」の種類


噛み合わせが不均等だと、特定の場所に力が集中しがちです。注意しておきたい代表的な不正咬合には、開咬(前歯が噛み合わない)・過蓋咬合(噛み合わせが深すぎる)・交差咬合(上下の歯列が左右にずれている)などがあります。いずれも奥歯や顎関節に偏った負担をかけやすく、顎の動きのバランスを乱すことがあります。とはいえ、不正咬合があれば必ず症状が出るわけではなく、あくまで要因の一つとして捉えることが大切です。


歯ぎしりや食いしばりなどの生活習慣が与える影響


噛み合わせと並んで見逃せないのが、日々の癖です。仕事や育児のマルチタスクでストレスがたまると、就寝中の歯ぎしりや、日中に無意識で行う食いしばりが増えやすくなります2。これらは顎関節や筋肉に持続的な負担をかけ、朝の顎の重さやこわばりへとつながることがあります。まずは日中に上下の歯をそっと離す意識を持つなど、生活習慣を見直すことも症状を和らげる一歩になります。


歯列矯正で顎関節症は改善する?適応するケースとそうでないケース

歯列矯正で顎関節症は改善する?適応するケースとそうでないケース

「矯正をすれば顎の不調が和らぐのか」は、多くの方が気にされるところです。噛み合わせが主な要因になっている場合には、矯正が役立つ可能性があります。ただし、すべてのケースに当てはまるわけではありません1


噛み合わせの改善によって顎関節症の緩和が期待できるケース


たとえば、特定の歯だけが強く当たって顎の動きを妨げているような場合、歯列を整えて全体で均等に噛めるようにすることで、顎関節への負担が軽くなることがあります。噛み合わせのバランスが原因の中心にあると診断されたケースでは、矯正治療が症状の緩和に寄与すると期待できる場合があります。もっとも、変化の程度には個人差があり、事前の精密な診断が欠かせません。


骨格的な要因やストレスなど、矯正だけでは対応が難しいケース


一方、顎の骨自体の左右差が大きい場合や、精神的な緊張・ストレスによる筋肉のこわばりが主な要因のときは、歯を動かすだけでは対応しきれないこともあります。こうしたケースでは、マウスピース型の装置を使うスプリント療法や、状況に応じた外科的アプローチなど、別の専門的な治療を組み合わせて検討します4。原因をしっかり見極めることが、遠回りを避けるうえで大切になります。


【注意点】矯正治療「中」に一時的に顎の症状を強く感じる可能性と対策


矯正では歯が少しずつ動くため、その過程で噛み合わせのバランスが一時的に変わり、顎の症状を強く感じる時期が出ることもあります。こうした変化には、歯科医がこまめに噛み合わせを確認し、動かし方や力を丁寧に調整することで負担の軽減を図ります。通院のたびに気になる症状を伝えることが、慎重に治療を進める鍵になります


顎関節症改善を目指す矯正治療の選択肢と費用・期間の目安


矯正にはいくつかの方法があり、費用や期間、保険適用の有無も気になるところでしょう。忙しい毎日でも計画を立てやすいよう、基本的な情報を整理します。


ワイヤー矯正とマウスピース矯正の特徴と選択基準


代表的な選択肢がワイヤー矯正とマウスピース矯正です。ワイヤー矯正は幅広い症例に対応しやすく、複雑な歯の移動にも向いています。対してマウスピース矯正は目立ちにくく取り外しができるため、食事や歯みがきがしやすい点が魅力です。当院では日本矯正歯科学会所属の医師が診療にあたり、インビザラインやクリアコレクトといった選べるマウスピース矯正にも対応しています。ライフスタイルや症例に合わせて、無理のない方法を一緒に考えていきます。


健康保険が適用されるケース(顎変形症など)と自費診療の違い


噛み合わせや見た目を目的とした矯正は、基本的に自費診療です。ただし、顎変形症など特定の診断を受け、外科手術を伴う矯正治療が必要な場合には、厚生労働省が指定する医療機関で健康保険が適用されることがあります1。ご自身がどちらに該当するかは、精密検査を経た診断で判断されます。費用が気になる方は、事前に確認しておきましょう。


一般的な治療期間の目安と初期費用の考え方


矯正全体にかかる期間は症例によって幅がありますが、一般的な目安はおおむね1年半から3年程度を見込むことが多いです。費用は方法や範囲で変わるため、カウンセリングで治療回数や期間、総額を十分に説明したうえで進めることを大切にしています。自費診療は将来の噛み合わせの安定という観点も含め、納得して選んでいただけるよう情報を整理していきます。


精密診断ができる歯科医院の選び方とお子様の将来を守る予防矯正


適切な治療への第一歩は、原因を正しく見極める診断です。設備と診断力を確認したうえで相談先を選ぶことをおすすめします。


歯科用CTや口腔内スキャナーなど精密診断設備があるクリニックを選ぶ大切さ


顎関節症の背景をつかむには、感覚だけに頼らない客観的なデータが役立ちます。歯科用CTによる骨や顎関節の立体的な分析、口腔内スキャナーによる精密な噛み合わせの記録があれば、より正確な診断につながりやすくなります。当院では、口腔内スキャナー(3Shape TRIOS MOVE)や歯科用CT、マイクロスコープなどの設備を導入し、十分な精密検査を行ったうえで治療方針をご提案しています。治療回数や費用まで丁寧にお伝えする姿勢を大切にしています。


お子様のうちに噛み合わせを整え、将来の顎関節症に備える小児矯正


お子様の場合、骨格の成長を活かしながら噛み合わせを整えられる時期があります。この時期に適切な小児矯正を検討することで、将来的に顎へ負担のかかる噛み合わせのリスクを抑えられる可能性があります3。すべてのお子様に必要というわけではありませんが、気になる場合は早めに相談し、成長を見守りながら判断していくことが将来の口腔の健康につながります4


よくある質問


Q. 顎関節症は自然に良くなることもありますか?

A. 軽度なら、生活習慣の見直しやセルフケアで症状が和らぐこともあります。ただ、症状が続いたり痛みが強かったりする場合は、自己判断せず歯科医院で相談することをおすすめします。


Q. 矯正をすれば顎の音や痛みは必ずなくなりますか?

A. 変化の程度には個人差があり、必ずなくなると断言はできません。噛み合わせが主な要因かどうかを精密検査で見極めたうえで、期待できる範囲をご説明します。


Q. 顎関節症は何科に相談すればよいですか?

A. 顎関節や噛み合わせに対応する歯科・歯科口腔外科などが相談先の一つです。精密診断の設備が整った歯科医院を選ぶと、原因の把握がしやすくなります。


Q. 仕事や育児で忙しくても通院できますか?

A. 治療方法によって通院間隔は異なります。カウンセリング時にご都合を伺い、無理のない通院計画を一緒に考えますので、お気軽にご相談ください。


Q. 矯正治療中に顎の症状が出たらどうすればよいですか?

A. 歯が動く過程で一時的に症状が変化することがあります。気になる症状があれば通院時にお伝えください。噛み合わせを確認しながら慎重に調整いたします。


参考文献


1. 公益財団法人 日本医療機能評価機構「Minds ガイドラインライブラリ」 https://minds.jcqhc.or.jp/

2. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(口腔・歯の健康)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/teeth

3. 日本小児歯科学会 https://www.jspd.gr.jp/

4. 公益社団法人 日本歯科医師会 https://www.jda.or.jp/


金田 一高

歯科医師


しんみ歯科 石神井台

院長

金田 一高

▶ 監修者プロフィール

経歴
東京都立青山高等学校 卒業
国立東北大学歯学部 卒業(33回生)
国立東京医科歯科大学大学院
インプラント・口腔再生医学分野博士課程修了
資格・所属学会
歯科医師臨床研修指導歯科医資格(厚生労働省認可資格)
日本口腔インプラント学会
日本歯内療法学会
国際口腔インプラント会議
日本メタルフリー歯科学会認定医